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もしも彼女が関ヶ原を戦ったらのあらすじと感想・レビュー※ビジネス用語は関係ない、石田勢が挑む関ヶ原再戦が面白い!

もしも彼女が関ヶ原を戦ったら

2024年7月の実写映画化が決まったもしも徳川家康が総理大臣になったらの作者、眞邊明人先生が書いた小説が、もしも彼女が関ヶ原を戦ったらです。

ゲーム会社のマーケティング部に勤務する27歳の主人公の女性が、VRの世界で、軍師として、関ヶ原を戦うストーリー。

ビジネス小説と名打っているだけに、ZOPA・DESC・OODAといったビジネス用語の解説が登場。

ビジネスの場のコミュニケーションの方法を武将との交渉を通じて、具体的に分かりやすく教えてくれる側面もありというか、そこがメインかもしれません。

でも、個人的には、ビジネスの話は、どうでも良いです。

単純に、史実では、味方の裏切りにあって、敗戦した石田三成が、いかにして、徳川家康にリベンジするか!

そこが面白い。

もしも彼女が・・・以上に、もしもあの武将が関ヶ原に参戦していたら・・・が、歴史好きのわたしの胸を熱くする作品でした。

もしも彼女が関ヶ原を戦ったらのあらすじ

主人公は、ゲーム業界の老舗、グローリーゲームスに入社して5年目になる大祝(おおほうり)みやび27歳。

司馬山凌が作った歴史シュミレーション「戦国大戦略」のヒットで、名門となった会社も、司馬山の死後、業績は低迷。

そんな中、社内でリストラの話が持ち上がります。

経営企画室長の星聖児(40歳)は、副社長の多々良健一(65歳)に、業務改善なしのリストラは横暴だと、歯に衣着せぬ言葉で、喰ってかかります。

司馬山の死後、社長となった司馬山浩一37歳は、そんな二人を止めることができません。

リストラが問題なのかと思われた中、星の口から出たのは、グローリープロジェクトという、謎のゲーム開発の話。

そして、多々良より、グローリープロジェクトのテスターに参加してほしいとの依頼を請けます。

グローリープロジェクトは、VRに知覚や触覚もプラスしたXRゲーム。

XRシステムなら、障害等で、現実世界では、弱く無力でも、ゲーム内では超人的な強さを持つことも可能。

ただ、開発に時間とお金がかかり、事業化できるのかが不明です。

グローリープロジェクトが投資に値するかを判断するため、懐疑的な星とともに、大祝に白羽の矢が立ったのです。

体験するXRゲームは、グローリーゲームズのお得意の戦国時代。

大祝は、史実では破れた徳川家康に勝つため、石田三成ら西軍の軍師となり、現代ビジネスの交渉力を生かすことなります。

もしも彼女が関ヶ原を戦ったらの試し読み※サンマーク出版のサイトで出来ます!

もしも彼女が関ヶ原を戦ったらの試し読みは、出版するサンマーク出版直営電子ストアで読めます。

序盤の導入部分を結構、試し読みできるので、ぜひ!

https://ydm.sunmark.co.jp/author/a10000355.html

もしも彼女が関ヶ原を戦ったらの感想・レビュー

現代人の知識と、ビジネス交渉術で、関ヶ原のリベンジ!

歴史好きなら、関ヶ原の戦いで、石田三成の西軍が、徳川家康の東軍に破れたことは知っていると思います。

また、その理由が、小早川秀秋の裏切りや、形式上西軍の総大将であった毛利軍が動かなかったことも・・・。

主人公がテスターとして参加するグローリープロジェクトの目的は、関ヶ原の戦いで、徳川家康を打ち破る事。

ほぼ史実通りにシュミレーションされたこのゲーム、普通にやっても、同じ結果となるだけ。

徳川家康は、パラメーターの能力も強力ですし、本多忠勝といった強い武将たちも配下にいます。

少しネタバレになりますが、プロジェクトに懐疑的な星が、石田三成となり、ゲームをプレイ、大祝はその軍師となります。

星は、最初は、ゲームを理解するため、知識を入れずにプレイしますが、二回目以降は、本格的に攻略するため、史実を勉強して、ゲームをプレイします。

序盤に訪れるのは、西軍へ加わる事に難色を示す毛利との交渉です。

裏切った小早川秀秋、内通していたとの噂もある吉川広家らも同席しています。

史実が分かっている中、実際、どう交渉するのか?

現代のビジネス交渉の手法で、どう打開するかが面白いところです。

ビジネス的な考え方では、単に裏切り者と決めつけるのでなく、なぜ裏切ろうとしたのかの原因を考えること。

当時の石田三成に、こういった視点があったのか、気になるところです。

関ヶ原でおなじみの武将が登場!島左近、島津豊久!後半には、いなかったあの武将も!

関ヶ原の戦いなので、歴史好きにはおなじみの武将が登場します。

まず、登場するのが、三成に過ぎたるものでおなじみ島左近

そして、平野先生の漫画、ドリフターズでおなじみ、捨てがまりの島津豊久です。

史実では、島津は動けず、最後、島津義弘を助けるために、豊久は、殿で獅子奮迅の活躍を見せ、命を落としました。

共闘することがなかったはずのこの二人が序盤から、登場します。

さらに、関ヶ原の時代には、出てこなかった、日本一の兵(つわもの)も登場します。

強引に、ストーリーに出てくるのではなく、西軍を勝たせるために、交渉を駆使した上での登場、いい出方をします。

メインテーマは、自分の物語を生きれるのか

この小説のメインテーマは、自分の物語を生きれるのかということです。

現代人は、すごく賢くなって、正しく成功する道を選んで生きています。

対して、戦国時代の武将たちは、そもそも何が正しいも分からない死と隣り合わせ。

だからこし、常に自分の物語を生きています。

真田幸村の父である真田昌幸がまさにそう。

徳川軍につきながらも、いつも天下を取る構想を練っている。

徳川家康が天下を取ることが世にとって、大義であったとしても・・・。

関ヶ原の戦いを通じて、現代を見るので、これがとても分かります。

自分の人生を勝手に決めつけることってありませんか?

正しい未来よりも、面白い未来の方が良い気がしますよね!

まとめ:徳川家康を理想とした作者が書く、打倒徳川家康が面白い

何より面白いのは、前作の「もしも徳川家康が総理大臣になったら」で、鎖国することで、太平の世を気付いた優秀な君主として描いた徳川家康を、この小説では、でも、それで良いの?と考え直させるところです。

前作は、コロナ禍での話がメインだったので、ちょっと意味合いが違うかもしれません。

この小説でも、とても優秀な徳川家康が登場します。

そして、とても正しいんです。

でも、敵なんです。

作者は、コロナが終わったあとの時代を作るのは、ただ正しいことをするのではなく、自分にとって面白いことを自分らしくもがくことと言いたいのかもしれません。

SNSの発達で、いろいろなことがすぐ炎上して、なにか生きづらい世の中だけに、なんか、面白い小説でした。

個人的には、この小説こそ、実写化してくれると面白いと思いますね。